世界の美しい女性たち-THE ATLAS OF BEAUTY--世界の女性たち 約550名のポートレート-

ルーマニアの女性写真家が、世界中の女性を撮影したもの。若い女性が中心だが、中年、老年女性もいる。女優やモデルもいるが、大部分は普通の人で、市井ですれ違いざまに撮影しただけで名前も分らない人もいる。全体を眺めて思うのだが、民族によって女性の顔は微妙に違い、その結果として、女性の顔の美しさもそれぞれに異なっている。私たちは欧米の女優を映画などで見慣れているが、本書で強い印象を受けたのは、インド、イラン、シリア、中南米といった国々の女性の美しさである。日本人女性も十分に美しいのだけれど、インドやイランの女性に比べると、何かが足りないようにも思う。それは何か神秘的な深みというようなものかもしれない。そして、すべての写真に共通していえることは、美しさの一番の核は「眼」にあることである。どの顔も、こちらをじっと見ている。その視線、その眼差し、澄み切った瞳の、何という美しさ！ おそらく、眼には人格が宿っており、眼をみることは、その人をみることだからであろう。