コミック百合姫2018年4月号

「『もっといろんな百合が見てみたい！』と思える入り口になりたい」という作者様のコメントに「えっ……」と思ったのは私だけではないと思います。一定層ファンがいるからアニメになったんでしょうが（円盤が売れるかは神のみぞ知る）、あれが百合の入り口（のひとつ）と言われるとなんか違う感が……。新連載２本がスタートしたわけですが、前号で始まった作品も含め何をやりたい漫画なのか、誰と誰の関係性を見せたいのか分かりやすい１話めになってるのは良いかと思います。昨年打ち切られた新連載はそのへんが分かりづらく、ようやく百合っぽくなってきたなと思ったときには打ち切られてた感じなので、その轍は踏まないというところでしょうか。だと思いたい。ちょっと心配なのが『しおりを探すページたち』です。正直どんな話なのかってのが伝わりづらい序盤になっていて（負けヒロインの負けっぷりだけは当初から輝いてました）今月掲載分でようやく何をやりたい話なのかの輪郭が見えてきたんですが、去年のパターンだとこれ打ち切られるやつなんですよね……これ打ち切るようなら「また編集部は学ばなかったのか」って判断になります。いやもう既に下がる好感度はないんですが。一方で『ゆるゆり』と『2DK』が休載で苦しいはずなんですが、安易にピクシブ転載に頼らず読切で誌面作っている点は好感が持てます。しかも読切が全体的にいい。ただ、読切の話をすると、桐山はるか先生が載ってなかったのは悲しかったですね……前号の予告で期待してたんで。次号予告に名前あるんで、間に合わなかったんでしょうか。Citrusアンソロジーに寄稿いただくくらいならご本人の作品を読みたいので、だいたい全部編集部のせいだと思ってます。来月号買わなきゃ。今号で一番良かったなあと思ったのは『君は少女』です。身体のつながりを暗示的にしろ明示的にしろ描く作品が増えて目新しさがなくなった今日このごろですが、この作品の描き方からはとても色気を感じて良いなあと思いました。